オーストラリアのTAFE・専門学校について

日本に就学していると「TAFE」という学校の種類については聞き覚えがないと思います。
オーストラリアでは、事務的な技術を身に着けるためのコースであるVET(Vocational Education and Training)が日本でいう専門学校で学ぶ内容であり、公立の場合はTAFE、私立の場合は専門学校と個別に呼ばれています。

TAFEは各州の政府が直接運営していることが特徴で、授業内容もとくに実践的です。
ITやエンジニアリングなどの日本にもある専門技術のほか、ビジネスや観光といった個別の職業特有の技術に至るまで、幅広い分野のコースが用意されています。
就職活動の際にも経歴を高く評価されるほか、インターンシップなど実務を経験できるプログラムも用意されているため、スキルを重視するオーストラリアの社会に触れる良い機会となるでしょう。
こうしたスキルと経験は日本に帰国した後もきっとお役に立つはずです。

今回は、日本の専門学校とは少し違う、TAFEについてご紹介します。

TAFEとは

TAFE(Technical and Further Education)は先述のとおりオーストラリアの公立の専門学校ですが、日本とは違い学ぶ内容がより実践的です。職業訓練校と専門学校を合わせたものをイメージいただくとわかりやすいかもしれません。
留学生活を将来の仕事に役立つ経験にしたいという場合には、このTAFEが向いているでしょう。

TAFEでは卒業認定書を半年~2年間かけて習得するのが一般的で、比較的短めの留学でも卒業できるのが特徴です。
また、大学の2年、3年目に編入できるコースも多いためオーストラリアで学んでいるうちに、より深い知識を得たくなった場合にも対応できます。

比較的短い期間で卒業できるため、キャリアアップをしたい社会人の方にもおすすめです。

TAFEで獲得できる卒業資格と期間

TAFEに通うことで獲得可能な卒業資格は以下のものがあります。

Certificate Ⅰ

4~6ヶ月で獲得できる資格で、最低限の専門的な業務遂行能力を保証されます。

Certificate Ⅱ

6~8ヶ月で獲得できる資格で、Ⅰよりも複雑な業務遂行能力が保証されます。

Certificate Ⅲ

6ヶ月以上で獲得できる資格で、業務遂行能力だけではなく専門スキルや他社の管理能力も追加されます。

Certificate Ⅳ

1年~1年6ヶ月で獲得できる資格で、Ⅲまでの専門スキルのほか経営管理の能力を有していると保証されます。

Diploma

18カ月~24カ月で獲得できる資格で、各分野における基本的な技術は全て納めていると保証されます。

Advance Diploma

24~36カ月で獲得できる資格で、より高い専門スキルと管理能力を有していると保証されます。

Bachelor

36~48ヶ月で獲得できる資格で、大学を卒業して学位を取得したのと同じ効果があります。一部のTAFEでしか開講していません。

一般的にDiploma以上を取得しているかどうかで雇用条件が変わることが多いため、オーストラリア現地の人もこれ以上の資格獲得を目指して様々な年齢の方がTAFEに通っています。

TAFEの入学条件

TAFEは専門学校であるため、高校卒業以上から入学可能となります。
そのほかに大学と同様に英語力の基準も設けられており、コースにもよりますがCertificateやDiplomaの入学資格では、

・IELTS 5.5以上
・TOEFLスコア46点以上

が目安です。
英語力が足りないという場合には、入学を希望するTAFEの付属英語学校で英語コース受講を受講して英語力を基準まで上げてから入学を試みることも可能です。
その際にはさらに進学のためのコースを経由してからの入学となるため、余分に時間はかかってしまいますが英語を学びながら専門技術の獲得も目指したい場合にはこの方法が確実です。

授業料はコースや期間で大きく異なります。
質の高い授業で評判のTAFEほど高くなる傾向はありますが、目安としてDiploma取得を目指す場合には、卒業までの約2年間の授業料は240万から300万円ほどとなります。

TAFEのメリット

TAFEの卒業資格はオーストラリア全土で人気が高く、Diploma以上の資格はどの産業でも重宝されています。
日本の企業ではTAFEやDiplomaがあまり知られていませんが、海外留学の経験とTAFE
在学中に経験した実技経験や専門知識は、帰国後の就職に有効である可能性もあります。特にTAFEのチャイルドケアコースなどは英語での幼児教育ですので、すでに保育士の免許を日本で持っている方が新たにオーストラリアのチャイルドケアを学ぶことは、日本に限らずオーストラリアでも就職のチャンスが多いと期待されている分野でもあります。
また、コースによって異なるものの、Diploma以上の修了で大学への編入学が可能となる場合もあり、一般的に大学より専門学校の方が学費も安いため卒業までの学費を安く抑えるということもできます。

まとめ

TAFEでの学びは日本の学校とは異なり、自身から積極的に発表をおこなったりディスカッションで学生同士が議論を行ったりと、実社会で役に立つ経験を多く積むことができます。
高校卒業後、または大学生になってから休学しての留学先の選択肢としておすすめできるのがTAFEです。
英語だけではなく技術も学んで将来に生かしたいという場合には、このTAFEへの入学を検討してみてください。

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