ファウンデーションコース(大学進学準備コース)とは、オーストラリア以外の高校を卒業した生徒が、国ごとの制度の違いによって満たしていない入学基準の差を埋めるための準備コースです。
オーストラリアやイギリスなど、留学生を多く受け入れている国にみられる制度で、あまり日本ではなじみがないかもしれません。
こういった制度の国々では高校生の段階で希望する大学や分野に沿った学習が既に含まれており、17歳から18歳の時点で早くも進路を決めてしまいます。
つまり、日本の高校三年生はオーストラリアの大学の入学基準には足りていません。そのため日本からオーストラリアに大学留学を希望する場合は、通常このファウンデーションコースに通ってから進学をすることになります。
留学生や入学資格に不足している場合に受けるコースであるため、オーストラリアの学校に通い卒業資格を得ている場合にはこのファウンデーションコースに通う必要はありません。
参考URL: オーストラリア中学高校留学
ファウンデーションコースで学ぶ内容
一般的には9カ月~1年間のコースが用意されています。
費用は200万円~250万円ほどが多いようです。
ファウンデーションコースの存在は、一見すると余分な時間と費用を取られる制度のように見えるかもしれません。
しかし、実際にもしこのコースが存在していなければ、日本からの留学生の多くはとてもオーストラリアの大学では安心して学ぶことはできないでしょう。
それは、単純に英語能力の過不足や学習した知識の差というだけではなく、ディスカッションやプレゼンテーションなど日本の学校ではあまり重視されていない能力が必要となるためです。
ファウンデーションコースで学ぶ内容を挙げてまいりましょう。
ディスカッション
オーストラリアの大学の特徴として「チュートリアル」と呼ばれる少人数でのディスカッション授業があります。この場ではテストにおける問題と解答のようなシンプルな問題解決能力だけではなく、なぜそのような結論になったのかを論理的に説明できる必要があります。日本の大学における受動的な授業との大きな違いといえるでしょう。
日本との大きな違いの代表的なもので、ファウンデーションコースで事前に学ぶ必要がある理由の最たるものです。
プレゼンテーション
資料の作成方法や全体の流れ、事前のアイスブレイクのための談笑といったかなり辞せ炎的なプレゼンテーションの方法について学習します。日本の大学と異なりオーストラリアでは授業において質疑応答の時間にはかなりの量の質問が飛んできます。こういった時間をいかに捌くかといった技術は大学だけではなくビジネスシーンでも役立つこと請け合いです。
レポートの書き方、速読の方法
教育に力を入れているオーストラリアではこれらのスキルは必須で驚くかもしれません。特にレポートを提出する機会はかなり多く、決められた形式での書き方や表現方法、論法などかなり幅広く学ぶことができます。
希望する学科の基礎知識
日本の大学1年目に該当する授業内容ももちろん学ぶことができます。オーストラリアの大学は文系で3年、理系では4年から6年通うのが一般的です。そのうえ日本の1年目の内容は高校で学ぶため、授業内容の他国との差をうめるためにファウンデーションコースで基礎的な内容を学ぶ必要があります。
ファウンデーションコースの入学条件
基本的に入試が存在しないオーストラリアではファウンデーションコースもテストがありません。そのため合否判定は高校での成績と英語の能力で判定されることになります。
入学基準はそれぞれの学校によって異なりますが、目安として高校での成績は4以上。英語力はIELTS5.5が基準となっている場合が多いようです。
英語力がまだ得意ではない場合
英語力が足りない場合、それほど自信がない場合でも大学留学は可能です。その場合には大学付属や提携している語学学校で英語を学ぶ必要があります。オーストラリアの大学の授業はとてもレベルが高く、ディスカッションやプレゼンテーション能力が問われる内容となっているため、自然と必要となる英語のレベルも高くなってしまうため、事前にしっかり身に着けておきましょう。
こちらも遠回りに見えてしまう語学学校ですが、ファウンデーションコースでの入学資格となるIELTSが問われないというメリットもあります。
ファウンデーションコースの運営
ファウンデーションコース自体にも運営方法が2パターンあります。
ひとつは大学自体が運営していて学ぶ場所も大学の構内であるパターン。こちらはほとんど日本の大学1年目とかわらないといえるでしょう。
もうひとつは複数の教育機関が共同で運営しているパターン。こちらは大学ではない場所へ通うことになるので、大学の身に留学するよりも出会いが多くあるかもしれません。
ファウンデーションコースの選び方
すでに通いたい大学が決まっている場合には付属のファウンデーションコースに通う必要があります。どのファウンデーションコースに通ってもすべての大学の入学資格を満たせるというわけではありませんのでご注意ください。