オーストラリア入国時に税関でチェックされる持ち込めないもの

オーストラリアの税関は、世界中の国の中でも特に審査が厳しいことで有名です。

日本は比較的信頼性の高い国にあたるため、多くの国での入国審査が書類と簡単な受け答えのみといったケースも少なくありませんが、オーストラリアでは実際に手荷物検査が行われることは決してめずらしくありません。

これは農業大国でもあるオーストラリアが自国の動植物や環境の保護を重要視しており、食料品やウィルスを媒介する可能性のある品物が国内に入らないよう厳重にチェックしているためです。留学の際には必ず厳守するようにしましょう。

とはいえ実際にどのようなものが持ち込み禁止なのか事前に知らないと不安もあるでしょう。

今回は世界でも特に厳しいオーストラリアの税関でチェックされる持ち物についてご紹介します。

入国審査について

オーストラリア到着前、飛行機の中から審査は始まります。
というのも、この時点で乗務員の方に渡される「出入国カード」の記載内容がとても重要であるためです。

現在、オーストラリア側の法律では入国審査の際に持ち込みが禁止されているものを所持していた場合、入国ビザの取り消しが行われる可能性もあります。
この処罰の対象となった場合、その後3年間はビザの取得が不可能になることから、万が一、荷物に入ってしまっていたなどの場合には「出入国カード」の該当項目を「YES」にして検疫時に担当者に正直に説明するようにしましょう。

もちろん、この際のやり取りはすべて英語で行う必要があります。
もし、このような状況で日本から一人で来ていた場合、冷静に英語を用いて説明することは非常に難しいことです。
事前に持ち込み禁止となっているものが荷物に含まれてしまっていないか、入念にチェックしてこのような状況に陥らないようにすることが大切です。

オーストラリアの税関で申告が必要なもの

オーストラリアに持ち込むことのできない物は、在日オーストラリア大使館サイトの以下のページに最新情報が記載されています。
当サイトで解説しているもの以外も新たに追加されている可能性もありますので、このページの解説をご覧になった後に一度大使館のサイトも確認いただくことをお勧めします。
また、各航空会社のサイトには「出入国カード」のサンプルが表示されているため、こちらも併せて確認しておくと安心です。

参考URL: 検疫 – 在日オーストラリア大使館
https://japan.embassy.gov.au/tkyojapanese/quarantine_jp.html
参考URL: JAL – 海外 出入国書類の書き方:オーストラリア
https://www.jal.co.jp/tabi/info/ed/oce/au.html

出入国カードに記載されている持ち込み禁止のもの

禁止・規制されている医薬品、ステロイド、違法ポルノ、銃、武器、違法薬物

これらは当然持ち込みが禁止されているため、判断に迷うことは少ないでしょう。
一般的な風邪薬は申告不要とも言われていますが、念のため成分がわかるラベルと説明用のメモを持ち込んで、検疫の際に確認したほうが安心です。

18歳以上の場合、2250mlを超えるアルコール飲料、25本までの未開封のタバコ1箱(開封済み1箱も可)


個人使用目的であれば1.5キログラムまでの無煙タバコ(噛みタバコまたは嗅ぎタバコ)を持ち込むことが出来ます。ただし25グラムを超えた場合、超過分の税金を支払います(25グラムまでは免税とされます)。
 免税枠を超えたタバコ・葉巻を持ち込む場合は、必ず入国カードに申告し、超過している品物の税金を支払います。免税枠を超えた葉巻・タバコ製品を入国カードに申告しなかった場合、超過した分だけでなく、全てのタバコ・葉巻に対して税金がかかります。また、更に重い罰金を科せられる場合もあります。場合によってはビザがキャンセルされたり、オーストラリアへの入国を拒否されることもあります。

現地のホストファミリーへのお土産などでも当然規制対象であるため注意してください。

海外、またはオーストラリアの免税店で購入した900USD以上の品物

学生ビザやワーキングホリデービザは、商売を行うためのものではないためこのような商品を持ち込むとビザの種類を疑われることになってしまいます。

商用・宣伝目的の製品やサンプル品

こちらも同様に商売を目的とした入国でないことを示すためのものです

10,000USD以上、または外貨でそれに相当する金額のお金

こちらもビザの種類に沿った入国であることを確認するためと思われます。

肉、家禽類、魚介類、卵、乳製品、野菜、果物

これら制限のある食品の中でも、さらにルールが決められています。
食品単体の条件を満たしても、900USD以上の品物などのほかの条件に抵触する場合は持ち込めませんので注意しましょう。

肉、家禽類

家禽類は鶏などのことです。
肉製品は常温で6ヶ月以上の帰還保存可能であれば持ち込むことが可能です。
缶詰、レトルト、瓶詰めは問題ありません。

また、長期常温保存可能な干し肉も口蹄疫清浄国で生産されたものを1kgまで、個人消費が目的であれば許可されています。

参考URL: 口蹄疫清浄国
https://www.oie.int/en/animal-health-in-the-world/official-disease-status/fmd/list-of-fmd-free-members/
肉のエキスを使った製品、カレーのルーなども牛脂、ラードを使用しているものでなければ許可されます。

しかし、それ以外のすべての肉、生、冷凍、薫製、塩漬け、保存肉、調理済みを問わず、いかなる形態のものも持込が禁止されているため、肉製品の持ち込みは慎重を期すようにしてください。

魚介類

サケ科であるかどうかによって条件が変化します。

サケ科以外の魚製品は

・内臓及び頭を除去してあること
・常温保存可能で開封するまでは冷蔵・冷凍の必要がないこと
・食用のみに用いられ、家畜飼料等に転用されないこと

の条件を満たすことで、個人が携行している5㎏以内のものであれば持ち込みが可能です。
たとえ5Kg以内であっても、煮干しなどの頭がついている魚は制限対象となります。

サケ科の魚製品は

・缶詰、レトルト、瓶詰め製品
・頭と内臓を除去した450g以下の切り身
・頭と内臓を除去した塩漬け、乾燥、燻製にしたものや加工品

の持ち込みは可能です。
明太子やキャビアといった魚の卵の加工品には個別に条件が設けられており、

・高度に加工された市販品(未開封)かつサケ科以外の魚のものであること
・顆粒・粉末のだしなど、魚由来の調味料は持込可

となっています。

生卵やゆで卵といった卵そのものは全面的に禁止です。
マヨネーズやインスタント食品、ふりかけなどは以下の条件があります。

・常温で6ヶ月以上保存可能であること
・ 商業的に製造・包装された製品であること
・1kgもしくは1リットルまでの量であること
・ 持込または郵送しようとする本人の個人消費目的であること

焼き菓子やビスケットといった加工品も、十分に加熱してあり6か月常温保存が可能なものなら持ち込み可能です。

乳製品

乳製品の場合も前述の口蹄疫清浄国に含まれている国で生産されたものであれば、以下の条件で持ち込みが可能です。

・個人消費目的の場合、固形の乳製品は10kg、液体は10リットル、液状の濃縮食品は2リットル、乾燥食品は2kgまで
・乳児同伴の場合に限り、上記の制限量に加え、ボトルに入れた調乳済みミルクおよび開封済みのベビーフード1個まで

日本はもちろん清浄国に含まれているため問題ありませんが、日本でも入手しやすい中国や韓国の製品は清浄国に含まれていないため、注意しましょう。

参考URL: 口蹄疫清浄国
https://www.oie.int/en/animal-health-in-the-world/official-disease-status/fmd/list-of-fmd-free-members/

野菜・果物・穀物

生や冷凍の果物・野菜、漢方や生薬といった未調理の乾燥豆・穀物は持ち込み禁止です。
乾燥加工した野菜・ドライフルーツの場合は以下の条件があります。

・種、根、皮などが含まれていないこと
・製粉されていること
・完全に精米してある米(申告の上10Kg、未開封に限り)

動物や植物を使った製品

動物の皮、骨、毛、剥製、羽から作られている製品(例: 装飾品、芸術品、太鼓、三味線、蜂の巣など)や動物の毛や羽、組織などが付着している可能性がある製品といった、何らかの要因で少しでも動物の細胞が付着している可能性が残るものは、検疫の対象で申告が必要です。
オーストラリア国内での検査を通過すれば持ち込み可能となるものの、場合によっては商品の質にかかわらず消毒が必要になる場合があります。

また植物の場合にも同様で、
木製の製品、芸術品、工芸品、木製の食器、花輪、蜜蜂製品・わらなどを使った包装、たけのこの皮などの包装、ドライフラワーといったほぼ全般が検疫の対象です。
ドライフラワーであっても、以下のバイオセキュリティ輸入条件データベースの輸入可能条件を満たしていれば持ち込みが可能です。

参考URL:バイオセキュリティ輸入条件データベース(BICON)
https://bicon.agriculture.gov.au/BiconWeb4.0/
ただし、その場合には検疫官向けに使用されている植物の英語名でのリストが必要になります。また、許可されたものであっても場合によっては消毒を行われる可能性があるため、ドライフラワーを持ち込む際には特に注意しましょう。

まとめ

このように、オーストラリアは税関・検疫が非常に厳しい国です。
ちょっとしたお土産なども対象であるため、うっかり事前に購入してしまうことなどもあるかもしれません。
現地に到着して検疫の際に気づいてからでは遅いので、是非私たちのような留学のプロにご相談・ご確認いただければと思います。

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